今回は、エンジンのOH(オーバーホール)作業についてです。
まだ、作業終了していないので随時、作業に合わせて更新していきます。
じっくりとご覧下さい。
今回、OHする事になったのは、お客様(Sさん)の車です。
10月にサーキット走行会がありまして、Sさんも参加していました。
Sさんの走りは素晴らしく、私たちの店から参加したメンバーの中ではダントツのタイムを叩き出します。
2番タイムを出している人より2秒も早いんですから困ったものです。
そんなSさんの熱い走りです。
20周も走ったころでしょうか。
事件は起きました。(事件です!!コーナーでも良かったのですが・・。)
Sさんがピットに戻ってくるなり 「何かガラガラいいだした。」 との事。
「バルブかクラッチか?」 と言うことで、その日の走行はこれまで。
1日あったのに20周で終わってしまいガッカリ&心配のSさん。
帰りはキャリアカーに積んで引き上げです。
後日、エンジン開けてみたところクラッチが・・・。
「Sさんは回し過ぎなんだよ。8000〜9000rpmは回してるね。」
そのクラッチの写真です。
クラッチが砕けて溶け出しているのが解ります?
そしてクランクにハマる部分のアップ。
クラッチが暴れた事によってこれだけの傷が・・・。
当然、クランク側にも同じ傷が付き、クランクもダメに。
Sさんのショックは隠しきれませんでした。
その晩、家族会議が開かれたそうです。
結果、クラッチとクランク交換という事になったのですが、 「どうせ交換するなら・・。」 という事で色々と追加されました。
まず、クラッチは、普通に乗っている分にはノーマルでまったく問題は無いのですが、サーキット等で限界まで回した時に、現行のクラッチは重いそうです。
旧タイプのクラッチの方が軽く、負荷が少ないという事で旧タイプの強化品を入れる事になりました。
そしてクランク。
「Sさんは、きっと回すだろうから。」 という事で、クランクはノーマルでなくクロスドリル加工されたモノに交換です。
これはジャーナル部分にクロス方向で穴が開けてあり、高回転時の油膜切れを防止するものです。
高回転を多用する人にはお勧めパーツですね。
当然、エンジン開けることになりますので、ついでに出来る部分はまとめてやってしまいます。
まず、フライホイールは軽量(ウルトラ・ライト)に。
カムチェーンをダブルチェーンで強化し、ハイキャパシティのオイルポンプ、バルブリフターを軽量・穴あきにします。
ますます高回転仕様になりますね。
今回、組み込むパーツです。
この他にも、ガスケット類などがあります。
それとミッション。
当然、エンジン開けるのにミッションを降ろしますが、降ろすならばチェックを同時に行います。
シンクロリングはヘタってきているでしょうから、交換に。
今回の例は、サーキットなどで限界走行(高回転)する場合に起きる故障、そして、修理後の使用状況を考えての内容です。
当然、通常の使用では、ここまでする必要は無いですし、今回のような故障にはならないでしょう。
あなたの使い方、または車の仕様によって内容は異なってきます。
今回の内容を是非ご参考にして下さい。
エンジンを開け始めましたら、随時更新していきたいと思います。
次回をお楽しみに。