前回に続き、今回もボディ板金編です。 ボディ(下地)を如何に良く仕上げるかにより塗装仕上がりも変ってきます。 それだけ下地作りは重要です。 では、本編をどうぞ。

前回でも紹介した通り、穴埋めが完了しパテを盛られた状態のカット。 ここからパテを出来るだけ研いでいきます。


こちらが研いでいる途中のカットです。 右リアフェンダーのパテが薄くなってきているのが解るでしょうか? 根気良く研ぎ、極限まで少ない状態でパテがのっている状態にします。 パテの厚塗りで誤魔化す仕上げは最悪。 それは、見せかけだけであり、後にパテが浮いて塗装剥がれや錆びの原因となります。 仕上げに時間の掛かる作業です。


こちらは、ドア内側のカット。 赤線で囲んだ部分の塗装が剥がしてあるのが解りますか? ここは、シートベルトの金具が当たり、傷が付き易い場所。 この車輌も、ここに傷がありました。 そこで一旦塗装を剥がし、再度下地を作ります。


下の写真にあるように、フロントスカート、リアのエプロンも傷や錆びをキレイに拾います。 黄色いパテのある部分が修正した箇所。 こちらも、この後キレイに研ぎあげていきます。


前回に紹介した右フェンダーのヘコミがあった部分です。 パテはまだ研ぎ上げる前の段階。 右の写真は裏側から見たもので、少し解りにくいですが、板金でキレイに成型しています。 板金で出来る限り成型し、パテは少しでも薄く。


ボンエット&トランクは、ほぼ作業終了。 細かい傷は拾い終わり、この後全体にサフェーサーを吹き塗装となります。 白い部分が傷の修正を行い、一旦サフェーサーを入れた部分です。


何でもない溶接をしている写真なのですが、良く見ると溶接しているのはトランク。 サフェーサーを入れる所まで進んでいたトランクを何故溶接しているのでしょうか?


その答えがこちら。 実は、ここでオーナーとの相談の結果、MK−I仕様で仕上げる事に変更になりました。 上で溶接していたのは、トランクの穴埋めを行っている所。 MK−I仕様にするにはトランクの穴埋めが必要となり、大小合わせて10個の穴を埋める必要があります。 小さい穴は溶接だけで埋めることが可能なのですが、大きい穴(赤丸の中)3個は鉄板を宛がい溶接を行います。 その後、キレイに研いで仕上げていきます。


MK−I仕様となると、ボンネットにも加工が必要となります。 先端のツバを切り落とし、錆びをキレイに研いで下地作りを行います。 エンブレムも変更になるので、エンブレムの穴も溶接で埋めていきます。


その頃、ボディはルーフの塗装が完了。 先ずルーフを仕上げ、その後にボディを仕上げていくのですが、一旦ここで塗装ブースから出る事となりました。


ボディは、全体をサフェーサーで吹き下地を作るのですが、元の塗装面がそのままではサフェーサーの食い付きが良くありません。 そこで全体にペーパーを掛け、サフェーサーの食い付きを良くします。 細かい傷が全体に入れられているのが解るでしょうか? もちろん、ボディの仕上げ方には色々あり、時間と予算があれば全ての塗装を剥離して仕上げるのがベスト。 しかし、今回のようにシッカリと錆びを落とし、サフェーサーで良い下地を作り上げれば、永い期間良い状態を保つ事が可能となります。


MK−I仕様に変更となると、ボディ側にも加工が必要となります。 フロントではグリルの穴埋め加工、リアではMK−Iテールレンズを取り付ける為のプレート溶接を行う事になります。

次回は、MK−I仕様への加工について紹介したいと思います。