ドライブシャフト、つまりエンジンの駆動を伝える棒の事。 エンジンで生まれた駆動力はミッション(ギアBOX)へ伝わり、ミッションとタイヤを連結し駆動を伝える役目をしている。 駆動を伝えるシャフト部分は3つに分類する事が出来、正式にはドライブシャフトというと中央の棒(赤いラインの部分)を指すが、ここでは3つの部分について紹介します。 下の写真で左側からアウタージョイント(緑ライン)、ドライブシャフト(赤ライン)、インナージョイント(青ライン)という構成。 ちなみに写真はドラム車用の物だが、基本構成は同じ。


まずは、一番外側に位置するアウタージョント。 ドライブシャフトの外側に位置し、ハブやブレーキが取り付けられる部分である。 普段は下の写真(上)の赤丸の中にあるようにグリスが飛び散ったり、汚れが進入しないようにブーツで守られている。 部品としては下(中央)の写真のような形で、赤矢印の方向からドライブシャフトが刺さる形で連結される。 内部はグリスで満たされており、ボールによってスムーズに回転する仕組みとなっている。 アウタージョイントは走行距離に合わせて磨耗し、ドライブシャフトと噛み合うスプライン(ギザギザに山がある)が磨耗したり、ハブベアリングの取り付け部の磨耗によって交換が必要となる。 最下部の写真は磨耗により使用不可となったアウタージョイント。 赤矢印の部分にハブベアリングが取り付けられるのだが、ご覧の用に錆びと磨耗で段が出来てしまっている。 この様な状態になるとハブベアリングを交換してもガタが取れない、また、交換したベアリングをダメにしてしまうなどの弊害がでる。 逆にベアリングがNGなまま走行し、アウタージョイントを痛めてしまうケースの方が多い。 アウタージョイントの寿命は走行状況にもよりますが、15万キロ〜20万キロ程で交換。 当然、ベアリングに不具合があったり、ブーツが切れていれば寿命h短くなるので注意。


続いては、中央に位置するドライブシャフト。 インナージョイントとアウタージョイントを繋ぐパーツ。 ドライブシャフトの両端はスプラインが切ってあり、アウタージョイント、インナージョイントにそれぞれ連結される形となる。 下の写真はドラム車用のドライブシャフトだが、ディスク車も基本は同じ。(COOPER−S等、一部除く) 下の写真では右側にアウタージョイント、左側がインナージョイントとの連結部となる。 写真では解りにくいが、両端にはスプラインが刻まれている。 ドライブシャフトは、シャフトその物の寿命でダメになる場合と、アウタージョイントのガタやインナージョイントのガタによりダメになる場合とがある。 また、ドライブシャフトの長さは左右で違い(左の方が短い)、短い左の方がドライブシャフトの角度がキツく寿命も短くなりやすい。 アウタージョイント同様、使用状況によって変るが、15万キロ〜20万キロで交換したい。 


最後に紹介するのはインナージョイント。 ミッションからの駆動をドライブシャフトへ伝える始めの部分であり、片側をドライブシャフト、反対側をミッション(デフ)に連結する形となる。 基本的な構造はアウタージョイントと同じであり、内側にスプラインが刻まれている。 また、外側もアウタージョイントと同様にブーツで覆われており、内部はグリスで満たされている。 アインナージョイント磨耗の原因としては、使用による通常も磨耗の他、ブーツ破損によるグリスの流出、別項目で紹介するデフサイドのオイルシールからのオイル漏れによりブーツの中にオイルが進入してしまいグリスを払い流してしまうなどがある。 通常では、アウタージョイント、ドライブシャフトと同様に15万キロ〜20万キロで交換が目安となる。 下の写真はオーバーホール時に分解されたインナージョイント。 ベアリング等の構成部品が良く解る。


足回りのパーツ類は多数の部品が作用し複雑な動きを行っている。 ドライブシャフト系には特に駆動の力が直接加わる為、一つのパーツの不具合が別なパーツを壊してしまう事が多々ある。 部品の金額も高いうえに、走行不能や事故に繋がったりする箇所であるので、早めの対処が必要となる。 多少のガタがあっても走れるから・・・とそのままにしておくと、後々に重大なトラブルを招いてしまうので注意が必要。 安心して走る為にも小まめに点検するようにしたい。 特にハイグリップタイヤや太いホイールを履いていたり、スポーツ走行の多い方、また、エンジンをチューニングしてパワーの出ている車は寿命が短くなるので注意したい。


ドライブシャフトの寿命

15万km〜20万kmで交換
 (使用状況やメンテナンス状況によって変る)

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