1963y BROADSPEED  WORKS  MINI  COOPER'S'

1963/64y ヨーロッパツーリングカー選手権 ブロードスピードチーム ワークスカー

縁ありまして、ブロードスピードのワークスカーを入手する事が出来ました。 仕様としては、1963年が1100ccまでのカテゴリーに1071ccパワーユニットで、1964年は1300ccのカテゴリーがあり、1964年には1293ccで出場しており、この車輌は1964年の仕様という形態でそのまま入庫。 日本国内でのナンバー取得等の関係上、多少オリジナルと違ったメンテナンス内容となっている部分もありますが、8割がたオリジナルを保っておりますので、その細部まで当店でわかる範囲でご紹介いたします。







1275COOPER’S’エンジンをベースにチューニング

・ラルフブロード チューニングヘッド
・1293ccパワーユニット
・スペシャルクランク&+20フラットトップピストン
・93度ハイカムシャフト
・スペシャルバランス
・ウェーバー45DCOEキャブレター
・ロングマニホールド&スペシャルリンケージ
・3ブランチLCB
・ペコラリー コンペティションエグゾースト
・4シンクロクロスミッション
・3.9ファイナルギア
・LSD
・レース用クラッチ
〜e.t.c.



カテゴリー上、大きな変更は少ないサスペンション回り。 サスペンションはハイドロラスティックではなくリジット。(ラバーコーン) フロント1.5度ネガティブキャンバー/リアネガティブキャンバーを装備。 特徴として、細部に補強を加えた加工を施されています。 フロントフェンダー内は、6Jサイズのホイール及びレーシングタイヤの干渉を防ぐ為に、フェンダーのミミ部分をなだらかにカット&加工処理されています。 リアフェンダー、そしてタイヤハウス内も同様。 特にリアタイヤハウス内は、ロールケージの取り付けの関係もあるのか、ハウス内の段差を丁寧に埋めて加工+補強を加えて処理。 また、ミニライト製6Jマグネシウムホイールのナットは、純正ナットではなくオリジナルで作り変え。 ナットの強度、精度、作りともに申し分ない加工で作成されています。 現在装備しているアルミドラム(ナリタ製)&エアロクイップブレーキホースは、国内でモディファイしています。 ブレーキマスターについても、当時の強化パーツでもなく、マスターバックをあえて省き、ドライバーまかせのコントールしやすい仕様となっています。






メーターパネルは、キャブレターのロングマニホールド対策として、手前に飛び出すタイプに加工・変更されています。 また、ドライバーズ正面パネルには、SMITHSクロノメトリック・タコメーターに水温/油圧計&警告等となり、このレイアウトはBMCクーパーワークスカーであるGPHなどと同じレイアウトとなっている為、当時のレギュレーション?(または、定番?)のレイアウトなのかもしれません。 同様に、シフトレバーのリバース用ストッパーや、ドライバー&パッセンジャーシートの後ろ側に追加の補強クロスメンバーなども、同様かと思われます。 7点式ロールケージ、ロータス26R用バケットシート(現在の個人的な趣味としてです)、モトリタレーシングステアリングを装備。 タコメーターもSMITHSレッドゾーン付き9000rpmクロノメトリックに交換しています。




左右のドアパネルは、超軽量のアルミ製。 ボンネット&トランクフードはFRP製、ガラス類についてもサイド及びクォーター&リアはポリカーボネイト製とかなり軽量化されています。 オーバーフェンダーも6Jサイズの当時もの。 張り出し方がスッキリとしていて、お気に入りのフロント/リアビューです。 この形でモール付き。 品が良いですね。 ミニライト製マグネシウムホイールに履くのはダンロップG5。 この仕様でも、フロント/リアのバンパーには、オーバーライダー&バー付きとなっています。





エンジンの始動もままならない事(直ぐかぶります)、丁寧に暖め、スローが1500rpm〜1800rpmで落ち着いた状態でないとスタートが切れない事、全てが低回転を無視しているセッティングです。 うまくクラッチを合わせ、4000rpmより落とさずにシフトアップ。 4000rpm〜5500rpmで本来の性能の一部が始めて見えてきます。 街乗りや、山間部ではまず4速は使えません。 2速、3速でアクセルを緩めずにコーナーワークを楽しめるのはLSD装備の特徴。 気持ちよく、速く、良く言う事を聞いてくれますが、中途半端に使うと 逆に扱いづらいくらいです。 ただ、ツインリンク茂木で、すべて全開ではありませんが5000rpm〜7500rpmでの使い勝手は素晴らしいの一言。 これだけの時代がちがう、60sのレーザーとして2007年現在にここまで使えれば十二分といえるでしょう。 今後は車のセッティングとオーナー自身の慣れの方が課題です。


MINIYA Ai FRAGILE

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