今回、紹介する車輌は、街乗りからサーキット(スポーツ走行)まで楽しめるモデルとして各パートをトータル的に仕上げたMK−3。 コツコツと時間をかけてセットアップを行い、日常の足としては最上級の仕上がり。 意のままに操れるスペシャル・ミニとして紹介します。



まずはボディ。 ミニの中でも特に軽量な1000MK−3で、車重は570kg。 ボディ補強と剛性を高める為に7点式ロールケージを装備。 これにより剛性は断然アップし、さらにリアの挙動にも落ち着きがでました。 また、MK−3はサブフレームマウント等もオリジナルでリジットとなっており、ステアリングに対し素直に反応し、インの入りは格別。 高速コーナーでの旋回性、高速ブレーキングでもボディがよじれる事もなく抜群の安定性です。

アチーブ 7点ロールケージ
ワタナベ 6J−10マグホイール
ADVAN 032R



ボディ特性を元に、足回りはARC製のショックアブソーバー、フロント2度/リア0.5度のネガティブキャンバーに、あえてフロントのみARC製のスタビライザーを装備。 これは、リアの急な挙動の変化を防ぐ為。 制動については、ブレーキングのコントールのしやすさと、急制動時のブレーキロックを嫌いサーボ無しのマスターをそのまま使い、フロントにKAD製4ポットキャリパー、TAROXドリルドローターを装備し、リアはホイールシリンダーを現行のタイプに変更、ミニフィン・アルミドラム装着にてブレーキバランスをフロント9割/リア1割とする事により、かなりドライバーの好みにあった車の動きが解り易く伝わるセットアップになったと思います。
ARC ショックアブソーバー
ARC フロントスタビ
ネガティブキャンバー
強化テンションロッド
KAD4ポットキャリパー
TAROXドリルドローター
ミニフィン アルミドラム
ステンメッシュ ブレーキホース
エーボンバー 強化ブッシュ



リチャードロングマン GT15
ケント MD286カム
軽量バルブリフター
ケント Wカムチェーン
強化クラッチ
ウルトラライト フライホイール
1275GT メタル
ストレートカット クロスミッション
3.67ファイナルギア
モカール オイルクーラー
スプリットウェーバー(45DCOE)
WAKO シルバーコイル
ウルトラ シリコンコード
NGK Vプラグ

オイル センターピックアップパイプ
ハイキャパシティ オイルポンプ
パワーユニットについては、1271ccのA+ユニットを、リチャードロングマン製GT15(21cc)、軽量バルブリフター、Wタイミングチェーンに変更し、メタル類はオイルの流れの良さから1275GTのものを選択。 カムはギア比を考えケント製MD286(オーバーラップ73度)。 もともとつながりの良い3.44ファイナルのデフギアを3.67に変更しストレートカットの4速クロスミッションを組んでいます。 ローから4速まで、全てのギアで吹け切るセッティングです。 燃料系はサーキットを意識してウェーバー45DCOE(ロングマニホールド仕様)を、あえてスプリットウェーバーに変更。 高回転での燃料不足を押さえ、燃料不足による焼き付きやエンジン保護も考えての選択です。 これにより、街乗りのでの扱い易さはもちろん、サーキットでも楽しく走れる仕立てです。 また、点火系のチューニングも行っていますが、オーナーの美的センスの観点から70年代のミニらしく押さえてあります。

(注)このページはインプレッションメインの為、エンジン詳細については省略しています。



足回りとエンジンパワーのバランスは抜群。 低速でグズつく事もなく、どこからでもキレイに吹け上がる。 テクニックに自信があれば筑波サーキットの本コースでも1分13〜15秒では走れる。 クロスミッション/3.64ファイナルのおかげで3速、4速でもグイグイと加速していく。 何しろバランスの取れた車です。 スプリットウェーバーも現状として始動性も良く、何の煩わしさもありません。 ただし、サーキット走行時のみプラグの番手を変更し、エマルジョンチューブをF16からF2へ変更します。 MD286(73度)のカムも、待乗りの発進/加減速を考えると1271ccエンジンとしてはここまで。 MD276(63度)でも良いでしょう。 走る場所を選ばない、走っている時間がとても楽しくなるミニです。