雨漏り、嫌な言葉です。
ミニは、国産車と比べるとシールも弱く、雨漏りがし易い車だと言えます。
ただし、その雨漏りを防ぐ方法はあるのです。
ここでは、良く雨漏りする場所、そして対策方法をお伝えしようと思います。
1.フロント(リア)ガラス ウェザーストリップ
まずは、フロントガラスから。
ここは、フロント・リアともに共通なのですが、ガラスを留めているウェザーストリップから
比較的に雨漏りを起こします。
ウェザーストリップというのは、ガラスの縁にあるゴムの事。
どうしてもゴムなので、年数が経つと硬化したり縮んだりしてきます。
そして隙間から雨漏りするのです。
まずは下の写真をご覧下さい。
赤丸の部分が雨漏りし易いポイントです。
最初は中央部分から。
ここはウェザーストリップの合わせ目があります。
経年変化でウェザーストリップが縮み、ここに隙間が出来てしまいます。
するとそこの隙間から雨漏りするのです。
下の写真は、隙間が出来てしまった状態です。
ここから雨漏りすると、ノーマルですとオーディオの裏側、センターメーターですとメーター裏に
水が浸入してきます。
雨の日に、オーディオが消えたりヒューズが飛んだりする方は、ここから雨漏りしている可能性大。
ガラスの内側にティッシュを丸めて置いておくと、濡れているか確認がし易いです。
また、隙間から外が見えるようでは間違いありません。
次は両サイド。
ここもウェザーストリップが縮んだり、ヒビ割れたりして雨漏りします。
ここの雨漏りはボディを伝わり、フロアまで垂れてきます。
フロアマットを捲って、濡れている方は注意が必要です。
確認は、同じようにティッシュを丸めて置いておくと良いでしょう。
リアガラスの場合も同様で、リアの場合はトレイ(スピーカーがある部分)が濡れてきます。
ひどくなると、トレイがふやけて、波打っている場合もあります。
確認はやはりティッシュで。
2.クォーターウインドウ
ここの雨漏りは、ミニ乗りなら一度は聞いた事がある場所でしょう。
初期のインジェクション車までの、開閉式クォーターウインドウの場合です。
開閉式の場合は、ガラスの内側、ボディにウエザーストリップが付いています。
下の写真の赤矢印の先、黒いゴムがウェザーストリップです。
このウェザーストリップが縮み、四隅に隙間が出来てきます。
するとそこから雨漏りするのです。
確認は簡単。
目で見て垂れ下がっていないかどうか、手で押し込んで、キチンと奥まで入っているかの確認です。
ちなみに下は羽目殺しのクォーターです。
この場合には、雨漏りはなくなりました。
ただ、風を室内に取り入れるには、開いた方が便利ですね。
3.トランク
3つ目のポイントはトランクです。
トランクを開けた時に、トランクルームが濡れていたり、スペアタイヤの下に
水が溜まってる事はありませんか?
雨漏りがひどくなると、スペアタイヤ下に溜まった水が、走って揺れる事によって
リアシート下まで来ている事もあります。
また、バッテリーBOX内に水が溜まると、BOXが錆びて腐ってしまいます。
トランクの雨漏りの多くの原因は、ボディ側にあるウェザーストリップ。
ここが劣化して弾力がなくなり、隙間から水が入ってしまうのです。
下の写真の赤矢印の先がウェザーストリップです。
4.ドア内張り
意外と知られていない場所が、ドアの内張りです。
内張りといっても内装の部分ではなく、その内側になります。
ここには本来穴をテープ等で塞いであるのですが、テープが剥がれたり、ビニールが破けたりして
中に水が浸入してしまうのです。
きちんと塞がれていれば、ドアの下の水抜き穴から外へ排出されるのですが、漏れがあると
内張りの裏を伝わり室内に侵入します。
フロアマットを捲って、フロアが水浸しでビックリという場合もあります。
フロアが濡れるけど、ドコから水が入るか解らない、また、内張り(内装)がふやけてきたという場合は
ここが一番怪しいですね。
下の写真は内張りを剥がしたドアです。
赤丸の部分などから水が浸入してしまうのです。
赤丸の部分のテープがふやけて剥がれているのと、赤矢印の部分が破けているのが解るでしょうか?
こういった部分から水が浸入します。
ちなみに、高年式車は前面がビニールで覆われていますが、ビニールが破けたりしていると
そこから進入する場合もあります。
また、ウインドウレギュレーターのシール部分から漏る場合もあります。
では、実際の対策はどうしたらよいのか?
皆さんが一番知りたいのはそのやり方だと思います。
1.フロント(リア)ガラス ウェザーストリップ
フロント(リア)ガラスからの雨漏りの場合、ウェザーストリップの隙間から漏る訳ですから
その隙間を埋めてあげればいいのです。
色々なメーカーから隙間を埋めるシール材が発売されています。
下の写真はHOLTZ社から出ているシール材。
ホームセンターや、カー用品店で売っています。
こういったシール材で隙間を埋めてあげるのですが、簡単な手順を。
@まず、シール材がはみ出てもいいように、マスキングテープ等を貼り付けます。(左上)
A次に、シール材を注入し、ヘラで整えます。(右上)
B慎重にテープを剥がします。(左下)
Cシール材が固まれば完了。(右下)
ひび割れも要領は一緒です。
これで雨漏りが止まればOKです。
ただし、ウェザーストリップの劣化が激しいと、シーリングでも止まらない場合があります。
その場合は、ウェザーストリップを新しい物に交換するしかありません。
2.クォーターウインドウ
クォーターウインドウの場合は、ウェザーストリップが縮んで隙間が出来てしまうので、
本来であれば、新しい物に換えるのが一番です。
ただ、中古のウェザーストリップがあれば、対処方法もあります。
まず、下の写真の赤丸の部分のように、下側中央を切り離します。
その後。四隅を奥まで押し込むと、切り離した部分に隙間が出来ます。
そして、この隙間を中古のウェザーストリップを適当な長さに切り、埋めてあげるのです。
下の写真の赤丸が、切り取ったウェザーストリップです。
中古のウェザーストリップが無いと隙間が埋められませんから、新品を入れた時に
中古を捨てずにとっておく必要があります。
まぁ、毎回新品を入れられれば問題ないのですけどね。
3.トランク
トランクの場合は、ウェザーストリップの弾力が無くなり、隙間が出来てしまうので
その隙間を塞げばいいのです。
では、どうやって塞ぐかというと、下の写真のような隙間テープを用意します。
このテープをトランクの内側に貼り、密着度を高めてあげるのです。
下の写真が貼り付けた状態。
これで殆どの場合は、雨漏りが止まると思います。
それでもダメなら、最終的にはウェザーストリップ交換となります。
4.ドア内張り
最後は、内張りです。
ここの場合は、テープやビニールが破けたりして雨漏りする訳ですから
それらを新しく張りなおせばいいのです。
また、ウインドウレギュレーターの隙間から漏る場合には、シール材を詰め直します。
下の赤矢印の部分がシール材です。
シール材は、粘土のように柔らかいので、再度詰め直しが出来ます。
隙間が出来ない様にキッチリ詰めましょう。
また、テープを貼り直す場合に、大きめのビニールで塞ぐ形で貼ってしまうのも有効です。
ここまでの4箇所以外にも、雨漏りをする場所があります。
下の写真の赤丸の部分、ガソリンの給油口とボディの隙間や、赤矢印のボディのミミの部分。
ミミの部分の場合は、ミミの内側を水が伝わり、中側から錆びが発生してきます。
また、まれにオーバーフェンダーを留めているビスの所から雨漏りする場合もあります。
オーバーフェンダーのビスの場合はシーリングしてビスを入れ直せば大丈夫。
給油口の隙間やミミの部分の場合には、板金等が必要となってきます。
エンジンルームから室内に侵入してくる場合もありますね。
場所によっては、専門的な作業が必要な場合もあるのです。
どの対策の場合もそうですが、治したら水をかけて確認の繰り返しになります。
特に、ドアの内張りの場合などは大変です。
根気良く作業しましょう。
雨漏りが無い場合でも、雨の日の後は、出来るだけ車を走らせましょう。
走ることにより、細かい部分の水分が抜けますから。
また、時々はフロアマットを剥がし、乾燥させてあげるのも大事です。
マットを剥がせば、雨漏りの発見にもつながります。
意外と気付かずに、マットがカビだらけという場合もありますから。
湿気は錆びの原因になります。
しっかり雨漏りを防いで、ボディの保護を心がけましょう。