締めすぎです

「ブレーキフルードを交換していたらブリーダボルドからフルードが漏ってくるんです・・」という相談を受けました。
アルミ製の４ＰＯＴキャリパーだったのですが、確かにブリーダーボルトの所から漏れている。
ボルトを回してみると・・・
「あ、やっぱり予想通りか」という内容でしたのでキャリパーを外して作業開始です。

左の写真の外れているのがブリーダーボルト。　中央のネジ穴に入るのですが、写真で見ていただいても解るとおりにボルト、ネジ穴ともにネジをなめてしまっています。　そのせいで完全に閉まりきらずフルードが漏れて閉まっていたのですが、なぜそうなってしまったかというと単純に締めすぎ。
アルミキャリパーが決して柔らかすぎる訳ではないですが、鉄に比べれば柔らかいのでガッシリ締めすぎでネジをなめてしまっているのでした。

では、どう補修しましょうか？　単純に大きなサイズのボルトに変更できるなら大きいサイズでネジ山を作るという方法もありますが、元のブリーダーを使いたいので元のサイズで修復を行ないます。　では、どうやってネジ山を修正するかというと、写真の様なツールを使って元のネジ山を作り直します。　大きなネジ山を作り中に元サイズのネジ山となるコイルを入れるのです。　それにより元のサイズのまま復旧させるのです。

穴サイズを拡張後、タップにてネジを切り直していきます。　穴あけともに曲がってしまっては元も子もありませんので、キッチリ真っ直ぐ行ないます。

ネジ山となるコイルを入れた状態。　これで修復完了です。　きっちり漏れがない事を確認し車輌に取り付けで全作業終了となりました。　くれぐれも締めすぎにはご注意ください。

また今回はブリーザーボルトの部分でしたが、よくあるのはオイルドレンボルトの締めすぎでミッションケースのネジをなめてしまう・・というパターンですね。　そちらも余程酷い状況でなければ修復は可能です。　万が一の場合は、いつでもご相談くださいませ。