インジェクション車で不調が有った場合、コンピューターを疑う前にチェックした方が良い箇所があります。 ここでは、比較的にトラブルの出やすい箇所を紹介しますので、まず最初に下記の箇所をチェックしてみて下さい。 また、下記の箇所だけでなく、プラグ、プラグコードやイグニッションコイルなどのチェックも行ってください。

1.バキューム・ホースに亀裂がないか?

インジェクション車で一番多いトラブルがバキューム・ホースの取り付け部のL字ホース劣化による不調。 バキューム・ホースは、エンジン内部で起こる負圧を利用する為の物ですが、ゴムのジョイントを使っている為に熱や経年変化で亀裂が入ってしまいます。 すると、そこから空気を吸い込んでしまい、コンピューターが正確な制御が出来ません。 下記の写真を参考にチェックして下さい。


左の写真は全体の接続系統です。 下記のような経路で接続されています。

・エアクリーナー〜インマニ
・インマニ〜フューエルトラップ
・フューエルトラップ〜コンピューター


写真の赤丸の中で6個のL字ホースを使用しています。
下で各部分の詳細を紹介します。


エアクリーナーのケースを3本のビスを外し、裏側を見ると接続箇所があります。

エアクリーナーを外し、インジェクターの後ろ側、インマニに2箇所。 その横のフューエルトラップの下に2箇所あります。
コンピューターの下側に1箇所。


各L字ホースは見た目で亀裂が無くても、外して曲げてみると亀裂が入っている場合もあります。 またL字ホースは、奥まで差込過ぎて貫通してしまったり、差込み過ぎでエアを吸い込めなくなる場合も有るので注意。 L字でなく、ストレートのホースがあれば、そちらを使ってチェックしてみるのも良いでしょう。


2.リレーモジュールは正常か?

エンジンルーム内、左側奥にリレーモジュールがあります。 内部にはリレーが入っており、電気系統の制御を行っています。 このリレーモジュールに異常があるとスターターが回らなかったり、フューエルポンプが作動しない等のトラブルとなります。 また、リレー本体が正常であっても、コネクタ部が焼けてしまい接触不良となる場合があります。 コネクタ部もチェックして下さい。

(注)コネクタ部の配線の先はコンピューターに接続されています。 コネクタを触る時に静電気でコンピューターを壊してしまう場合がありますので、十分注意して下さい。


エンジンルーム左奥の黒いBOXがリレーモジュール。 左にスライドすると本体が外れます。 コネクタを抜いた状態。 メス側の白い方が焼けている場合が多い。


3.ラインヒューズは正常か?

1996yまでのインジェクション車の場合、ヒューズBOXの他にラインヒューズを使用しています。 ところが、ラインヒューズのケースは熱に弱く、経年劣化で接触不良を起こします。 特にフューエルポンプのラインヒューズが不良となるとエンジンが始動しません。 外から見て、変形していたり、黒く変色している場合は要注意です。 高価な物ではありませんから交換しましょう。


赤丸の中がラインヒューズです。 ちなみにフューエルポンプ用のラインヒューズは、茶色にグレーのラインが入っている配線の物です。 ヒューズBOXは回転させると開きます。 中には管ヒューズが入っています。


4.イナーシャ・スイッチが作動していないか?

インジェクションには高圧で燃料を送っている為に、万が一の場合には燃料をカットするシステムがあります。 それがイナーシャ・スイッチなのですが、ミニのセンサーは感度が良すぎて、勢い良く段差を超えたりすると作動してしまう場合があります。 リセットすれば良いだけなのですが、以外と知らない人も多いので注意。 走っていて急に止まってしまった場合は、まず最初にチェックしてみて下さい。


赤丸の中がイナーシャ・スイッチ。 このスイッチが作動すると、燃料が送られなくなる。 指の先は押しボタンとなっており、スイッチが作動した場合には、上から押し込んで解除する。